環境省では、公共用水域および地下水の要監視項目にPFOSとPFOA(ペルフルオロオクタンスルホン酸及びペルフルオロオクタン酸)を追加し、両物質の合計値で0.00005 mg/L以下(50 ng/L以下)を暫定の目標値として定めることを2020年5月28日付で各都道府県知事等に通知し、即日運用が開始されました。また、2020年6月11日の環境省の発表によると、全国の河川、湖沼、海域、地下水、湧水の合計171地点で水質調査を行った結果、160地点でPFOSもしくはPFOAが検出されるとともに、そのうちの37地点では水環境の暫定的な目標値(両物質合計で50ng/L)の超過が報告されています。
要監視項目は環境基準項目の予備軍のようなもので、現時点では直ちに規制対象となりませんが、人の健康の保護の観点から知見の集積に努めるべきものとされています。すでに検出事例が多く報告されているわけですが、その背景として、これらの物質が撥水・撥油、耐熱、耐薬品性等の高い利便性を持ち、殺虫剤、消火剤から撥水剤、表面処理剤、乳化剤等の幅広い産業、分野で使用されてきた経緯があります。
暫定の目標値である50 ng/Lは、従来規制対象となっていた他の物質と比較して非常に低い濃度レベルです。分析方法は環境省等から通知されていますが、詳細の統一されたサンプリング方法は定められていません。ERMが確認している中でも、ふっ素系の樹脂製品がサンプリングツールや井戸材料などに含まれていたり、作業員が着る服や化粧品にも注意をしなければならないことがわかっています。ERMではこれまでに国内外でPFOS/PFOAを含むPFAS(パーフルオロアルキル化合物およびポリフルオロアルキル化合物)に関してリスク評価、課題解決するお手伝いをしています。ご相談等あればお気軽にお問合せください。
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